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2018年11月 代表質問

自由民主党の山田ひろこです。会派を代表し質問いたします。

まずは、これまでの自身の議員活動において、区長を始め、教育長、職員の皆様には多方面にわたり、区民の方々の様々な声を受け止め、その対応に御努力を頂いたこと、感謝申し上げます。この約四年間は、私にとってはまるで倍の八年の時が過ぎたような感覚です。道半ばのこともありますが、区民の皆様のより良い暮らしを実現するため、そのために山田ひろこはここにいるのだと、その思い変わらず今後も邁進していくことを決意し、改選前の最後の質問をさせていただきます。

 

まず初めに、英語教育についてです。

 

ICTとAIを活用した先進的な教育改革


私はこれまでにも日本の英語教育が変わらねばならないと、言い続けてまいりました。文の京、文京区の全ての子どもたちには激動する世界の真ん中で踏ん張れる強い人間に育ってほしい、そのためにも世界共通語である英語が使えなければならない、その思いでこの四年間、様々な提案を教育委員会にしてまいりました。私の熱くなってしまう説明に御理解くださり、様々な取組に調査、御検討くださっている教育委員会にもまずは、お礼を述べさせていただきます。

 

さて、本年に発表されました、THE世界大学ランキング二〇一九でトップ一〇〇に入った日本の大学は四十二位の東京大学と六十五位の京都大学でした。同じアジアの中国の二十二位、シンガポールの二十三位からは大きく下回りました。このランキングの評価項目は五つで教育力、研究力、論文の引用数、国際性、産業界からの収入で、日本が足を引っ張った項目は国際性でした。

そこから見える要因として、「海外のトップ大学は研究力の高い教員を世界から呼んでいるが、日本の大学は学生らの語学力が弱く、英語で授業を行う環境も整っていない」ところにあると言われ、国はこういった現状を踏まえながら、小学校での英語の教科化や、中学高校での英語で英語の授業や、大学受験では大学入試センター試験に代わる大学入学共通テストと民間試験との併用など、コミュニケーション能力の育成を目指した改善、充実を図ろうとしています。

 

そして、各自治体の教育委員会もそれに追随し、我が文京区においても英語力向上推進事業を重点施策として取り組んでおり、私は、英語教育の小・中学校の現場において、ICTを活用した学習法を整備することを提唱してまいりました。ICTの活用は、英語と接する量が膨大に増えること、そして発達障がい傾向にある子どもの学習にも効果が上がること、また、英語指導における教師の力量不足を補完してくれるなど、効率と効果の両面から外国人英語指導員を活用するよりも多くの利点があるからです。特にIT世代の子どもはパソコンやタブレットを使うことは、操作もお手の物です。興味を持って自分のペースで学べるという利点があります。

これらの理由で私は、タブレットの整備を全校にすることや学校で学んだことが家庭でも学べるようソフトを使った学習システムを導入することを提案し続けてきました。そして、本区は本年度から端末で学べるeライブラリアドバンスを導入し、スタートさせてくださいました。さらに、来年度は小・中学校全校にタブレットが整備されることとなりました。

 これらのICTを活用した授業の取組に、学校や家庭からはどのような声がありますか。そして、これらの取組に教育委員会はどう自己評価されますか。また、課題はありますか。お聞きします。


教育長答弁:

まず、ICTを活用した授業に対する評価や課題についてのお尋ねですが、学校公開等で、

ICTの活用により子どもたちの学習への興味・関心が高まる様子などを見て、保護者からは、ICTの良さに触れたという御意見を伺っております。 また、教育委員会が実施した効果検証でも、ICTが教員の授業改善につながる成果が見られております。 一方、課題としましては、教育効果の期待できるソフトの選定や、ICTを英語の指導計画に位置付けることなどが挙げられます。


英語教育において外国人と対話できるオンライン授業


さらに、私はICTを活用し、様々なテーマを持って話せる外国人とのオンライン授業へと展開していく必要があると思います。なぜなら、常駐しない外国人英語指導員では、ありきたりの挨拶程度でしか会話がなされないからです。その点についても御見解ください。


教育長答弁:

児童・生徒の英語によるコミュニケーション能力向上のために、今年度より、外国人英語指導員の配置時数を増やすとともに、体験型英語学習施設TOKYO GLOBAL GATEWAYを活用する事業を新たに開始したところです。教室での授業に加え、英語を積極的に使おうとする態度を身に付けられる契機になっていると捉えております。

 今後、こうした取組の効果を検証しながら、更にICTの活用についても研究してまいります。 



幼児期からの英語に触れ親しませることについて


そして、私が強く提案しているもう一つには、早期からの英語に触れる仕掛けの必要性です。スキャモンの発育曲線でも証明されている神経系の発達が著しいのは幼少期であるからです。我々日本人は英語を母語としない環境で暮らしていること、そして母語である日本語が英語と語順が違うことなどは、英語を学ぶ上で大変不利な環境です。そのためには、特に神経系の発達が著しい幼少期から英語の環境に身を置くことが有効となります。オギャーと生まれたそのときから、幼児が育つ日常には英語の歌が流れていることや英語絵本の読み聞かせ、英語でのリズム体操などは英語脳の土台を作ってくれる良い仕掛けです。聞こえたままに自然と英語の語順を取り込んでいけるこの時期にそれにふさわしい刺激を与えることに、教育長は、どう思われますか、お聞きします。

教育長答弁:

幼少期は、リズム感や体を動かすことの器用さを担う神経系が著しく発達する時期であり、脳を始めとして体内に様々な神経回路が複雑に張り巡らされていく大切な時期と捉えております。

 この時期の子どもたちは、常に新しいものに興味が移っていくといった特徴を持っており、多種多様な刺激を体が求めています。 こうしたことも踏まえて、小学校の外国語教科化に伴い、幼児教育における英語教育について、どのような体験が効果的であるか、研究してまいります。

 



学校、家庭両方で勉強できるクラウド型eラーニングの配信教材の活用


また、日常的に英語に接することは大切で、週に二、三時間の授業、これは小学校においてですが、これでは外国語は習得できません。習得するには更に補完的な教育システムを整備することが必要です。中学校で導入したeライブラリを小学校においても導入し、遊び感覚で家庭でも学習ができるようにするのはいかがでしょうか、お聞きします。


教育長答弁:

次に、eライブラリの小学校への導入についてのお尋ねですが、自宅でオンライン学習ができるソフトについては、生徒の自主的な学習を促すとともに、教員が、学習履歴を基に、家庭での学習状況を把握することで、個に応じた指導に役立てております。 こうした効果を踏まえ、小学校でも同様なソフトの導入を検討しているところです。

 

また、特別な整備をしなくても学べる方法として、家庭では朝食時にCNNを流したり、英語を勉強と構えずに生活の中に取り込んでいくリビング学習も効果大です。英語は留学しなくても身に付くというのは、こうした、英語の環境に身を置き、接触量を確保することです。家庭と学校教育を切り離さずに英語教育を仕掛けていくことが習得の近道であると考えます。家庭での英語学習にも気が付かせること、仕掛けることを学校授業の改善、充実に併せ、教育委員会はどう関わっていきますか、お伺いします。


教育長答弁:

英語の家庭学習の促進についてのお尋ねですが、家庭学習は、学習習慣を身に付けることや、学習内容を定着させるために、重要な役割を果たすものと捉えております。

 小学校における英語の家庭学習につきましては、授業公開や意見交換会等で、保護者に対し、啓発を行っているところです。 今後も、学校と家庭の協力により、子どもたちが、聞く、話すなどの英語の技能をバランス良く身に付け、コミュニケーション能力を高められるよう、努めてまいります。

 

昨年から始まった文京版スターティング・ストロング・プロジェクトでは、「人生の始まりこそ力強く」をスローガンに乳幼児期のごく早期に良質の育児環境を整え、子どもの育ちに積極的に働き掛けることとうたっています。出産時に贈られる育児パッケージに日本語と英語の歌のCDなどを加え、国際性を意識した育みとしての仕掛けもありだと思います。

以上、英語教育においては、ICT化の充実で学校と家庭で学べること、乳幼少期から英語に触れること、そしてふだんの生活の中で個人個人が取り入れられる英語媒体の利用も含め、英語環境をつくり上げていくことについて伺いました。


評価対象となる道徳の授業について


次に、道徳の授業についてお聞きします。

道徳の教科化は、近年、増加傾向にあるいじめや自殺の問題が背景にあり、子どもたちに生命を尊重する感覚や倫理観を育むことを目標としたものですが、小学校で開始してから半年過ぎ、先日は区内の各学校で道徳の授業参観が行われました。保護者から届いている声があれば教えてください。

教育長答弁:

道徳授業地区公開講座において、保護者や地域の方々からは、これまで以上に教師が子どもたちの多様な考えを大切にして、話し合う授業を工夫しているという、肯定的な意見を頂いております。 一方、情報モラルやいじめ問題、環境問題など、今日的な課題を扱う授業については、指導が難しい内容ではないかとのお声も頂いております。


教科として扱われる道徳の授業は数値的な評価はしないものの記述式評価になりましたが、この評価という言葉には価値判定を思わせる意味があることから、子どもたちの多様性が損なわれやしないかという懸念や子どもたちの内面性を評価することに対する危機感を持つ、という心配した声もあります。しかし、一方では、共働きをする親からは、家庭ではなかなか子どもと話す時間が持てなくなっているので、学校でこうして、授業として、定期的に話合いの場ができることに有り難い、との声も届いております。道徳を教科化したことから見えてくる課題があれば教えてください。


教育長答弁:

命の尊さや、偏見を持つことなく公正・公平な態度で接することなどの道徳的価値についての理解を基に、児童・生徒一人一人が、自己を見つめ、広い視野から多面的・多角的に、人間としての生き方についての考えを深めるという教科化の趣旨を、全ての教員が共通理解し、主体的に考え議論することにつなげていくことが課題と捉えております。

 

また、これからの多文化共生社会では一層グローバル化や価値観の多様化が進むと見られます。異なる価値観や倫理観を持つ人と共に生きていくためには、「賛同はできないけれど理解はできる」という感覚が必要なのだと思います。異なる生き方や価値観に触れることは、時に受け入れ難い違和感を引き起こすこともあります。そのような気持ちの揺れが、理解の幅を広げていくのではないでしょうか。「異なる価値観の人を受け入れなさい」と一方的に教えるのは、自分の中の違和感から目を背けさせてしまう危険性があります。


道徳は教えるよりも様々な価値観に気持ちが揺れる体験をさせる、自分はどう生きたいかを考えさせる場であるよう願いますが、教育委員会の目指すところを教えてください。


教育長答弁:

子どもたちが多様な考え方に触れることで、自分自身や他者への理解を深め、より良く生きていくための基盤となる道徳性を育む授業を目指してまいります。


子どもが日常的に身体を動かせるための仕掛け作り、整備


次に、私のライフワークと言っても過言ではない、文京区の子どもの体力作りについて質問です。

現代の子どもたちがより健康で、質の高い人生を送ることにスポーツが有用であることは各方面でも証明されています。スポーツは好きな人だけが趣味でやるのではなく、楽しく生きがいのある人生を得るための必需品でもあると言われています。そのためにも、子どもの頃から身体を動かす習慣を持つことは大切なのです。残念なことに、毎年、本区の小・中学生の体力が東京都の平均を下回っており、教育委員会も様々な取組をされてきましたが、大きな体力の改善は見えてこないのが現状です。


私は、自身の第一回目の一般質問からこのことを指摘し、体を動かせる場所の整備や、仕掛けを提案してきました。特に前回の質問では、外遊びを促す仕掛けとして、壁当てができる壁を運動場若しくは公園など区有地に設置してほしい旨お願いしました。専門指導員の指導があっても、体を日常的に動かす場所がなければなりません。仲間がいなくても、一人でもボールを持っていけば遊べる仕掛けに壁当てが良策だと思うからです。


区長は以前、中学校PTA連合会の研修会において、「限られた区の面積に様々な施設があって、更にグラウンドなどの運動場はこれ以上造れない」と話されました。その代わりに、「ソフトな部分でスポーツができる環境を考えていきたい」と話されました。具体的にどのようなことを意味されたのか、その言葉からは分かりませんでしたが、現在あるボールの使える公園にバスケットのゴール台や、壁当てのできる壁を造っていただきたい。新たにその用地を設けずに、あるものをうまく活用した工夫、ソフトな整備です。音が気になるといえば、音の響かないような材質などを使えばいいかと思います。 文京区の子ども誰でもが遊びたいときに一人でもボールを持っていって、体を動かせる仕掛けです。小学校の放課後全児童向け事業の校庭は、事業実施校に通う子どもしか利用できません。是非、まずは、現在球技のできる公園に設置できないかを御検討ください。


区長答弁:

現在、区立公園等九か所に、フェンスで囲んだ施設が設置されており、球技での利用が可能となっております。 そのうち、バスケットゴールについては、動坂公園と六義公園に一台ずつ設置されているほか、小石川運動場のスポーツひろばには、スリーバイスリーのバスケットゴールが二台設置されており、文京区在住・在学の子どもが一人でも利用することができます。

 また、壁当ては、竹早公園に設置しております。 新たな公園へのバスケットゴールや壁当ての新設については、公園利用者や近隣住民の意見等も踏まえ、検討を進めてまいります。



財務省関東財務局小日向住宅跡地について


次に、財務省関東財務局小日向住宅跡地の国有地についてお聞きします。

区は、特別養護老人ホームなどの整備用地とするために国に対して、定期借地制度を活用した貸付けを要望しておりますが、その後の進捗状況を教えてください。


区長答弁:

小日向二丁目の旧小日向住宅については、埋蔵文化財調査をほぼ終了し、今後、国で、地下埋設物の撤去や崖補修工事を行うと聞いておりますので、その進捗状況を確認しながら、定期借地による貸付けの開始時期等について協議してまいります。


また、用地の利用として、特別養護老人ホームのほか、公共的な機能の整備についても検討を併せて行われていますが、どのような施設を考えているかを伺います。


区長答弁:

予定している特別養護老人ホーム以外の活用については、擁壁や接道の状況等を踏まえ、建築可能な建物の規模等が確定した後、近隣施設等の状況も考慮しながら、総合的に検討してまいります。


小日向台の南の端に位置する高台で、区内でも希少な台地景観を呈するところであります。新しく創り出される福祉施設を含めた一帯の環境が、緑あふれる美しい景観となり、より安全で豊かな区民の生活に資するものとなるよう、そしてまた、緊急時の一時避難所としての機能を持たせるなど、防火水槽や、応急給水栓の設置なども整備していただきたく、お考えをお聞かせください。

地域住民の声や細かい要望については、近隣住民説明会の開催により、地域に喜んで受け入れられてもらえるよう進めていくことをお願いします。そして、その計画をお聞かせください。

区長答弁:

施設整備に当たっては、説明会の開催等を通じて、地域住民の声を丁寧に伺ってまいります。

災害対策について


次に、災害対策についてお伺いします。本年も各地で大規模な自然災害に見舞われ、過去にない被害の大きさとその件数は日本国民を脅かしており、区内の防災避難訓練の参加人数も増え、区民の災害への意識の高さがうかがえます。区民の暮らしを守る責任がある区行政は、本区の想定し得る災害を示し、そしてその対策に取り組んでいく必要があります。


私の前回の質問で要望しました自助の一つであります雨水貯留槽の設置助成金については、ゲリラ豪雨対策や震災時の非常用水源として雨水貯留槽は有用であるので、設置助成金も含めた支援の在り方について検討していくとの回答を頂きました。その後の検討の進捗状況を教えてください。


区長答弁:

雨水貯留槽についてのお尋ねですが、雨水の利用は、災害時における生活用水や消防用水として有効であるとともに、節水による水資源の有効利用につながることから、雨水貯留槽の設置助成について、具体的に検討しているところです。 今後とも、災害対策や、水資源の循環の適正化に資する雨水利用の促進に努めてまいります。


次に、避難所となる小日向台町小学校のその役割についてお聞きします。小日向台町小学校は最大千人規模を収容する避難所の役割として位置付けられており、日頃より地域町会では備蓄品の再検討や組織力強化のために定期的に災害時装備品検討会を行い、自助、共助の防災のレベルを上げる努力をされています。しかし、この地域の消防水利や生活用水の調達、確保には、地域が高台であることや、細路が多いことから、地元町会員の不安は拭えません。現在の防災計画が平常時の災害を想定したものであることも不安要因なのです。

公的応援が受け難い大規模災害時に、そして千人規模を想定した避難所としての機能を満たすためにも、プールの通年貯水の再検討を含め、応急給水栓工事を早めることも要望いたします。プールへの通年貯水においては過去に町会から区に要望しており、様々な課題があること、そしてその中でできる対応を施されてきたことは理解しております。しかし、近年の大規模災害を想定し、再度御検討いただき、通年貯水も含め、あらゆる水の確保について御回答をお願いします。


区長答弁:

 最後に、小日向台町小学校のプールへの通年貯水についてのお尋ねですが、大規模災害が発生した際の消火用水やトイレ等の生活用水の備えとして、学校内に一定の貯水をしておくことの意義は認識しており、屋外の独立プールについては、通年貯水を行っております。

 しかしながら、小日向台町小学校のように、限られた校地を有効に活用するため、校庭の地中にプールを設置し、夏季以外は上部を運動場の一部として使用している学校については、現在、通年貯水を行っておりません。 こうしたプールに通年貯水を行った場合、かびや雑菌が繁殖するおそれや、ボウフラが発生しやすい状況になるなど、児童の運動場、遊び場としての衛生環境が維持できなくなる可能性があります。

 また、床組み材が、常時、水や湿気にさらされることから、部材の劣化も懸念されるなどの課題もあり、今後、学校や保護者とも協議しながら、これらの課題への対応を検討してまいります。

 併せて、プールへの貯水以外の方法も検討し、水の確保に努めてまいります。

 なお、応急給水栓につきましては、早期の設置に向けて、区長部局及び都水道局と協議を行っているところです。

次に、大規模災害に備えた区の防災力についてお伺いします。現在、区では消防署、警察署からの派遣職員を防災課、危機管理課に配属しており、平常時の災害や犯罪などでの助言だけでなく、防災訓練など、積極的に地域と関わりを持っていただき、区民の方々からも大変評判が良く、喜ばれております。こういった外部からの専門家を区に配置することは、被災時だけでなく日頃から助言をもらえ、防災、減災には大変有用であると考えます。

既に、二十三区のうち、七区で、大規模災害に備えた対応として、豊富なノウハウを持つ自衛隊OBである防災監や危機管理監を組織に取り入れているところもあります。台風や地震など大規模災害の発生時には、自衛隊を始め国の機関との連携などをサポートしてくれ、また、文京区の地理の特徴に合わせた地域防災計画などへの助言も行い、防災力の向上にと期待されますが、防災監を含めた大規模災害の対応、対策について区はどのようにお考えになりますか、お伺いします。


区長答弁:

 区では、大規模災害等に備えて、日頃より消防・警察から職員の派遣を受け、危機管理対応を担える人材確保や、防災力の強化に努めております。 また、大規模災害が発生した際には、消防・警察による初動対応が特に重要な役割を果たすと認識しております。御提案の、防災監等の起用については、他区の状況や、災害時に担う役割等を踏まえ、今後の研究課題としてまいります。



東京2020オリンピック・パラリンピックに子どものお手伝いを


次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を支えるボランティアについて伺います。 オリンピック・パラリンピックは、選手、大会関係者だけでは成り立たず、様々な分野で区民、市民の参加が欠かせません。六年前のロンドン大会では約七万人のボランティアをGames Makerと名付け、大会の主役と賞賛したほどでした。東京大会においても既に国や東京都でもボランティアの募集が始まり、会場案内や競技会場での運営サポート、関係者が乗る車の運転、けが人や病人の手助けなどに携わり、八万人の参加を協会は見込んでいると言われています。

多くの人にとって、自分の国での夏季オリンピック・パラリンピック開催は一生に一度あるかないかという貴重な機会であります。性別、世代を問わず、そのボランティアには広く関心が寄せられていますが、大会ボランティアにおいては活動は十日以上が基本で、一日の活動時間は休憩や待機時間を含んだ八時間、十八歳以上という条件になっており、東京都の都市ボランティアでも年齢の関係で小・中学生は応募できません。

これらのことを鑑み、文京区独自の事業の中で一人でも多くの文京区民が参加できるチャンスを作っていただけないでしょうか、伺います。特に、国や都でのボランティアができない学童に、文京区では、「文京お手伝いし隊員」という名の下、簡単なお手伝い参加を区独自のイベントの中でできないでしょうか。お手伝いをすることで、一緒に東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を作り上げるという実感や、お互いを思いやる心を育んだりすることができることを望む声がたくさん届きます。前向きな御検討をお願いいたします。

区長答弁:

 大会及び都市ボランティアの条件により、参加が困難な区民の方には、文京スポーツボランティアや文の京まちなか観光案内人等の事業を活用し、東京二〇二〇大会に携われるよう検討しており、今後、その周知に努めてまいります。 また、小・中学生については、議員御指摘の「簡単なお手伝い」などによる活躍・交流等の機会作りを進め、東京二〇二〇大会の気運醸成を図るとともに、かけがえのないレガシー創出につなげてまいります。



安全が担保されていない自転車走行空間について


歩行者との接触事故を減らすためにできた自転車走行空間は、その安全が担保されておらず、自動車の追い越しや違法駐車などでその空間は阻まれ、自転車走行者が危険と向き合って走行しているこの現状を、区はどのように受け止めておりますか。

昨年の区内における自動車事故において、対自転車の事故が平成二十八年度は四十八件、二十九年度は六十件、そして本年は八十三件と大幅に増えております。何が原因であると分析しておりますか、お聞きします。 そして、区内に走る国道、都道の自転車レーンには同じように問題があります。区は区民の暮らしの安全を守るためにもこれを国や都に指摘し、一緒に協議していく必要がありますが、その点はどうされていますか、お聞きします。

区長答弁:

自転車走行空間及び自転車事故の傾向についてのお尋ねですが、自転車専用レーン上の自動車の駐停車については、区としても課題であると認識しております。その対策として、警察に対し、取締りの強化を依頼するとともに、道路管理者である国や都に対し、国道・都道の自転車専用レーンへのポストコーン設置など、更なる安全対策を要望してまいります。

また、自転車事故が増加傾向にあることについては、自転車利用者による一時不停止等、交通ルールを守らないことも、要因の一つであると推測しております。そのため、今後とも、自転車利用のルール及びマナー向上について、更なる普及啓発を図ってまいります。


また、二〇〇八年に神戸市で起きた事故では、自転車に乗った十一歳の小学生が歩行中の六十七歳の女性に衝突し、女性は脳挫傷の重傷を負い、その小学生の母親が監督責任を問われ、九千五百万円の賠償責任を負わされました。前回の一般質問でも自転車事故に備えた身近な保険の加入を話しました。私の質問を傍聴した方が、帰宅してすぐに保険の特約で加入した、と聞きました。いま一度、保険に加入することの区民への呼び掛けとその施策があれば教えてください。

区長答弁:

自転車保険については、その重要性から、窓口での案内や各種キャンペーン等により、加入促進に努めております。 また、自転車保険が備わった区民交通傷害保険について、区報・ホームページを始め、チラシ・ポスターの掲示や町会・自治会を通じた働き掛けなどにより周知をしておりますが、今後も、更なる普及活動の充実に努めてまいります。

 さらに、来年度から、賠償責任補償等が付帯されている、TSマーク取得の費用助成を実施してまいります。今後とも、自転車の安全な利活用を推進するとともに、自転車事故に備えた保険の加入を促進してまいります。



文京区民の健康寿命延伸とフレイル予防について


最後に、文京区民の健康長寿を考える取組について質問します。

高齢化が進み、ますます医療費や介護費が増え続けている日本において、病気にならない人を増やしていく予防医療の考えを具現化させていく必要性に迫られています。

厚生労働省の発表によりますと、現在の日本人の健康寿命は男性が七十二・一四歳、女性が七十四・七九歳と年々延びております。しかし、平均寿命は更にその先ですから、平均寿命年齢から健康寿命年齢を引いた、男性で約九年間、女性で約十二年間が、何らかの介護を受けるか、又は日常生活に支障を持って暮らしていることになるのです。この期間をいかに短くするかが高齢化率世界一の日本の課題です。

そこで質問をさせていただきます。加齢による予備能力の低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態をフレイルと呼んでおりますが、このフレイル状態は適切な介入や支援により、生活機能の維持、向上が可能になると言われております。当区では既に地域包括ケアシステムを構築し、生活支援や介護予防に取り組んでおられますが、この前段階であるフレイル期に基づいた区の取組をも構築していくべきと考えます。 文京区の健康寿命は二十三区の中でもトップクラス、男性が八十一・五五歳、女性が八十三・〇七歳です。国の健康寿命より十歳近くも上回りますが、この数字をどう分析されていますか。


区長答弁:

本区の健康寿命が高い理由は、区民一人一人の健康に対する意識が高く、適度な運動の実施や食事・栄養への配慮等、日頃から健康づくりに向けた様々な取組を行っていることが、大きく影響しているものと考えております。


また、区民の方の健康意識で特にどんな点に気を付けられているのか、分かれば教えてください。

フレイル予防対策として、栄養、運動、社会参加、この三つが三位一体となって、改善又は維持されることが理想だと言われておりますが、このそれぞれに区は今後どのように高齢者にフレイル予防を広報し取り組んでもらうのか、そしてそのためにもフレイル予防システムを構築する必要がありますが、お考えをお聞かせください。


区長答弁:

平成二十九年三月に実施した健康に関するニーズ調査によると、健康に気を付けている区民のうち、六割以上が「食事・栄養に気を配る」、「睡眠・休養を十分に取る」といった具体的な取組を行っています。 


また、他自治体では、フレイルサポーターを養成し、高齢者クラブや町会などに出向いてフレイルチェックと講座を行っているところもあります。高齢者の社会参加という点でも、このフレイル時期と同年代の方からサポーターになってもらい、お互いに刺激を持ち合うことで、より一層の効果が生まれてくると考えますが、フレイルサポーターの養成とその人材にシルバー世代を起用することをどう思いますか、お伺いします。


区長答弁:

元気高齢者が自ら牽引(けんいん)役となり、フレイル予防を広めることは、同世代への健康意識の更なる向上や、高齢者の社会参加促進に有効であると考えております。

 今後、フレイル予防に関する講演会の実施や、パンフレットの作成等、区民への周知に努めるとともに、高齢者が主体的に行うフレイルチェックの手法について、東京大学と協議をしながら、事業化に向けて準備を進めてまいります。



職員の健康管理について


また、近年、企業において健康経営の考え方が広まりつつあります。従業員の健康保持・増進による経費を単なるコストとして捉えるのではなく、将来に向けた投資と捉えて組織の活性化や生産の向上に結び付けていく考えです。国が目指す生涯現役社会の実現には、この健康経営が大きく影響してくると言われ、日本医師会、厚生労働省、経済産業省が連携し、社会経済システムとして構築されました。

この文京区役所においても職員の健康管理・健康づくりの推進は、単に医療費という経費の削減のみならず、生産性の向上、創造性の向上、そして区役所全体のイメージの向上などの効果を生みます。職員の健康管理者のトップである区長には、健康管理を組織戦略として展開していく御検討をお願いします。誰でもが願う健康長寿。区の重点施策として、地域包括ケアシステムと同様にフレイル予防対策として掲げてください。

区長答弁:

近年、行政を取り巻く環境は大きく変化しており、区民ニーズの複雑化・多様化が進む一方、将来的には労働人口の減少が見込まれ、組織戦略として、職員一人当たりの労働生産性を高めることは、喫緊の課題と捉えております。 そのため、まずは、職員が心身共に健康で働き続けられる環境を整えることが必要であり、本年度から、定期健康診断や消化器健康診断を充実するとともに、心の健康のため、全職員を対象としたストレスチェックや、様々な職層におけるメンタルヘルス研修を実施するなど、適切に職員の健康管理を行っております。

 また、多様な時差勤務制度の導入を始め、職員のワーク・ライフ・バランスの推進に向けた取組を進めており、今後も、職員のモチベーションの向上につながる取組について、検討してまいります。


 以上で私の質問を終わります。 御清聴誠にありがとうございました。

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